室伏塾の成果発揮だ!オリックス吉田正尚外野手(26)が春季宮崎キャンプ2日目の2日、「弾丸アーチ量産」スタイルへの挑戦を明かした。

本塁打は山なりの放物線を描くことが多いが、理想は「弾丸ライナーが伸びてスタンドに入る」驚弾だ。1月の合同自主トレで04年アテネ五輪男子ハンマー投げ金メダリスト室伏広治氏(45)に学んだ体の使い方を生かし、さらなるパワフル打撃で東京五輪金&チームVを目指す。

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吉田正が宮崎キャンプで打撃改造に取り組んでいる。トップの位置を低くし、構えは自然体に。目的はパワフル打撃のさらなるパワーアップだ。プロ入りから2桁本塁打を継続し、昨季は自己最多の29本塁打を放った。だが、和製大砲が描く理想はもっと高い。

「構え、トップの位置、力の伝え方…。ボールに対して強く。常に良い形を作りたい。芯で捉えて、ライナー性の打球がスタンドに入るぐらいの力をつけたい」

本塁打は山なりの放物線を描くことが多い。だがそれだけでは満足しない。目指すは弾丸ライナーのままのスタンドインだ。1月に室伏氏に仰ぎ「体の使い方」を学んだ。体幹を鍛え、ケガに強い体に仕上げてきた。室伏氏はハンマー投げで強烈な弾道を描き、ファンにも魅せて世界の頂点に立った。吉田正ももっと強烈な打球で相手を圧倒し、ファンを沸かせるスタンドインを目指す。

シーズンでVを導く大活躍はもちろん、今年は東京五輪出場の目標がある。「トップレベルの中でプレーしないとわからないこともある。(シーズンで)選んでいただけるような数字を出したい」。魅力は日本人離れした長打力。だがより破壊力を増して日本代表に選ばれ、世界一を導く活躍がしたい。

キャンプでは重さの違う白と黒の2種類のマスコットバットを試用。「結果に左右されることなく試せる時期。今は実戦用よりも重めを使って、しっかり振れるように」。まだ試行錯誤中で、この日は44スイングで柵越えは2本にとどまった。だがランチ特打後も、納得いくまでバットを振った。「試合(オープン戦)が23日から入ってくるので逆算して考えて。まだまだ伸びしろもある。良い感じで仕上げたい」。アーチはアーチでも、放物線ではなく、弾丸ライナーでスタンドに運ぶ。吉田正にしかできない芸当だろう。5年目の進化に乞うご期待だ。【真柴健】