ソフトウェア開発者を中心とするエンジニアのためのカンファレンスイベント「Developers Summit 2020」が2月13~14日に開催された。テーマは「ともにつくる」。
初日の13日には、特別会場として丸1日、日本マイクロソフトのトラックが設けられた。本稿ではその模様を、“ともにつくる”コラボレーションを中心とした、これからのエンジニアのワークスタイルとそれを支えるMicrosoft製品の話を中心にレポートする。
社内外で同じ環境を使えるようにする
4つの要素
日本マイクロソフトの増渕大輔氏は、社内と同じ環境をどこでも利用できるようにするための仕組みについて「出勤から企業開発者を解放し、エンジニアの働き方改革を実現するリモート開発環境構築」というテーマで語った。増渕氏自身も20年近くフリーアドレスで働いており、いま日本にいるのは一人というグローバルチームに所属し、会社と自宅のコンピュータ環境は95%同じく作業できるようになっているという。
なお増渕氏は、日本型リモートワークは介護や育児の保護などを目的したものだが、海外でのリモートワークのトレンドは、ハイパフォーマンス人材獲得を重視したリモートファーストであるとも語った。
最初に説明したのは開発環境だ。Visual Studio Codeでは、リモートでソースコード編集やランタイムなどを共有して作業できるVisual Studio Live Shareや、リモートのVisual Studio Codeサーバーに接続してリモート開発する機能、そのサーバーをMicrosoftのマネージドサービスで動かすVisual Studio Onlineなどがある。
そのうえで、会社の環境と自宅を同じ環境にする方法を増渕氏は説明した。
レベル1はアプリケーションの認証だ。Office 365を導入すると自動的にAzure AD(Azure Active Directoryが構築される。Azureやその他のSaaSアプリはAzure ADとの連携が基本だという。これによって、クラウドアプリとのシンプルな連携や、安全なアクセス、IDプロバイダーのメンテナンス削減が実現できる。
続くレベル2は、開発プロセスをSaaSにもっていくことだ。たとえばGitHub ActionsやAzure DevOpsによる自動化などがある。増渕氏は「Azureアーキテクチャフレームワーク」というガイドから、Azure DevOps運用開始の検討項目を紹介した。
レベル3は、社内インフラ環境の整備で、MDM(モバイルデバイス管理)、MAM(モバイルアプリケーション管理)、VPN、WVD(Windows仮想デスクトップ)などを含む。これについて増渕氏は、Microsoft IntuneやMicrosoft Azure Virtual WAN、Windows Virtual Desktop(WVD)によるクラウド管理を紹介した。
そのほか、間接的な要素として、孤独感や人事評価の問題もある。「無駄なようでもこまめにビデオ会議をするといい、という研究結果がある」と増渕氏。これについて、Microsoft Teamsによるビデオ会議や、Microsoft PlannerやTrelloなどの人事評価:タスクツールで活動を可視化することなどが紹介された。
Power Platformでノーコードする
デモ4本を紹介
ふだんExcelなどを使っている人が、データを扱うアプリケーションを(あまり)コーディングしないで開発する手法として、最近ではノーコードやローコードという言葉が注目されている。
「ノーコードPower? だけど開発者だからこそ知っておきたい、Power Platformの使いこなしかた~ ~W王子より愛を込めて」と題されたセッションでは、MicrosoftのPower Platformによるノーコードやローコードの実例を、日本マイクロソフトの廣瀬一海氏とセカンドファクトリーの清水優吾氏がデモした。
まずはセカンドファクトリーの清水氏が登壇。最初にPower Platformとは何かについて、ノーコードでアプリが作れる「Power Apps」、ノーコードでビジネスロジックが作れる「Power Automate」、ノーコードでBIが実現できる「Power BI」、ノーコードでボットが作れる「Power Virtual Agents」の4つを紹介した。
さて、1つめのサンプルは、Developers Summitのセッションリストをスクレイピングして、Power BIのレポートを作る例だ。これをPower BI Desktopでノーコードで実行し、裏側でPower Query言語のコードが自動生成されているところを見せた。
2つめのサンプルは、某テーマパーク(と口頭では言っていたがスクリーンには「TDL」と出ていた)のアトラクション待ち情報をスクレイピングし、チャットボットから問い合わせたり、レポートにしたりする例だ。清水氏は「実装は2日。それもわからないところを調べる時間を含めてなので、いまだったら1日でできる」と開発スピードを強調した。
ここでマイクロソフトの廣瀬氏に交代し、開発者サイドのサンプルを取り上げた。
3つめのサンプルは、同じくテーマパークのアトラクション待ちを機械学習で推測する例だ。Azure Machine Learning Studio Workspaceによりモデルを作成できる。
4つめのサンプルも同じくアトラクション待ちで、APIによってほかのシステムと連携する例だ。Azure Logic AppsでAPIのSwagger定義を取り込んで利用できる。
最後のまとめとして、清水氏は、データを共通のデータベースにもってきて二次利用する用途が、Power PlatformとAzureで簡単にできると語った。また廣瀬氏は、開発者がAPIをじゃんじゃん作ってそれを元にノーコーダーやローコーダーを受け入れることでアジリティが上がると語った。
「ともにつくる」コミュニティに
参加すると何がいいのか
今回のDevelopers Summitのテーマが「ともにつくる」だったことに関連して、コミュニティ活動への参加を呼び掛ける熱い話が、ランチセッション「Let's Dive in Developer Community!」にて、日本マイクロソフトの小田祥平氏と、テイ・デイ・エスの加藤健大氏により繰り広げられた。
マイクロソフトの小田氏は技術者の「コミュニティ」という言葉について、共通の関心軸をもとに集まる場所や集団のことと定義した。関心軸には、製品別、プログラミング言語別、地域別、さらにプロダクトの中の機能別などがある。
セッション内で参加者に向け質問を行い、コミュニティへの参加経験者が少なかったことから「いつどうやって開催されている?」「何をやっている?」などを改めて紹介した。中でも「参加して何かいいことあるの?」については、参加者にとっても運営者にとっても、情報共有や仲間との出会い、外のモノサシを知ることができる、なにより楽しい、といったことを小田氏は強調した。
また、小田氏はMicrosoftのコミュニティ支援についても紹介した。個人でMicrosoft関連コミュニティ活動に貢献した方を表彰する「Microsoft MVPアワード」がある。また、いきなりMVPはハードルが高いという人に向けて新しいプログラムを計画中であることも明らかにした。
そのほか、昨年末、代官山にオープンしたコワーキングスぺース「Azure Daikanyama Base」を紹介。イベントを開催したい際には積極的に貸し出すと語った。
続いてテイ・デイ・エスの加藤氏は、同社のノンプログラミングIoT・API連携プロトタイピングツール「Noodl」について、コミュニティを通じて知名度を広めた経緯を紹介した。
最初にまずNoodlを体験してもらうハンズオンイベントを開催したときには、参加者はわずか2名だったという。しかし、小田氏と出会い、コミュニティマーケティングについてアドバイスを受けたことを実践し、ほかのコミュニティにも参加してデモの実施、オンラインへの技術文書寄稿など積極的に発信していった。こうして、コミュニティのコアメンバーになってくれる人が見つかり、公式イベントが募集開始2時間で満席になるまでに成長し、株式会社ウフルとのコラボも決まり、大手メーカーとも話が進んでいるという。
コミュニティマーケティングについて、セッション参加者へのメッセージを小田氏から求められると、加藤氏は「一番は、開催する側も楽しめばいい。数字は後からついてくるもの」と答えた。小田氏もそれを受けて「コミュニティでやっていることが仕事になる、ということも実際にあるので、怖がらずにまずトライすると良い」と語った。
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February 27, 2020 at 06:05PM
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Azureとのコラボレーションによる、これからのワークスタイルとは― Developers Summit 2020レポート - ThinkIT
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