家事・育児はきちんと分担できている……
そう思っている共働き世帯の男性は多いに違いない。
しかし、それが男性サイドの勘違いかもしれないという事実がこのほど、小学校入学前の子供を育てる共働きの男女500名(男性:250名、女性:250名)を対象にしたアンケート調査によって明らかになった。
女性の9割以上は「パートナーよりも自分の方が家事・育児の負担が大きい」
結婚後も働き続ける女性が増えている昨今、家事・育児は妻だけに頼らず、夫婦の間で分担する必要性が高まっている。しかし、実際はどの程度分担できていて、男性と女性はそれぞれ家事・育児の分担に対してどのような認識を持っているのだろうか。
このような実態を明らかにするため、今回の調査では小学校入学前の子供を育てる共働きの男女を対象に、家事・育児に関するアンケートが実施された。
まず、女性に「パートナーよりも自分の方が家事・育児の負担が大きいと思うか」と尋ねる調査が行われたところ、家事・育児ともに9割以上の女性が「自分の方が負担が大きいと思う」と回答(家事:90.8%/育児:90.4%)。
夫婦間で家事・育児を分担する風潮は高まっているものの、女性としては未だに女性の方が家事・育児を負担していると感じているようだ。
一方、男性の7割以上は「パートナーと家事・育児を分担できている」
しかし、男性側の意識として、7割以上の男性は「パートナーと家事・育児を分担できている」と思っていることが明らかになった(家事:72.8%/育児:76.8%)。
上記の結果を踏まえると、男性としては分担できているつもりでいても、パートナーの女性は納得していなかったり、結局自分の方が家事・育児を負担していると不満を感じていたりする可能性が考えられる。
パートナーに対して、「家事・育児にもっと協力的になってほしい」と思っている女性は8割以上
さらに、女性の8割以上は パートナーに対して、「家事・育児にもっと協力的になってほしい」と思っている事実も判明した(家事:83.3%/育児:86.7%)。やはり、男性側は家事・育児を分担してやっているつもりでいても、女性から見るとまだまだ協力が足りないようだ。
また、約4割の女性は、パートナーに家事・育児を協力してもらうために様々な“工夫”を行っていると回答した(44.4%)。具体的には、「当たり前のことでも、必ずオーバーにありがとうと言って喜ぶようにしている」(29歳・女性)、「手伝ってくれた時はありがとうと言葉で感謝を伝える」(27歳・女性)など必ず感謝の気持ちを伝えることや、「自分のやり方と違っても批判しない」(35歳・女性)、「細かいことが気になっても多少は目を瞑る」(28歳・女性)など細かい指摘をしないといった工夫が見られた。
女性側も、パートナーと家事・育児を分担してやっていくために、円滑なコミュニケーションを心掛けていることがうかがえる。
家事・育児が原因で喧嘩した経験のある夫婦は6割以上
続いて、家事・育児が原因で喧嘩した経験について尋ねる調査が行われたところ、6割以上の人が「喧嘩した経験がある」と回答した(66.4%)。
喧嘩のきっかけについて掘り下げてみると、夫の言動が原因で喧嘩になったケースが多く見られ、女性が「自分ばかり(家事・育児を)やっている」「夫が約束したのにきちんと(家事・育児を)やっていない」などと感じる不満が原因で、喧嘩に発展するパターンが多いようだ。
しかし、中には、お互いに正面から意見をぶつけ合ったことで家事・育児を分担できるようになってよかった、というポジティブな声も見られた。
<夫婦の家事・育児にまつわる喧嘩エピソード>
■夫への不満が爆発
・「自分の趣味にばかり時間をかけていて、なかなか育児をしてくれなくて喧嘩になった」(27歳・女性)
・「夕食後に食器を洗う約束をしていたが、朝起きたら綺麗に全て残っていた。ちなみに電気もテレビも付けっ放し」(27歳・女性)
・「次の日がゴミ捨ての日なのに何もせず、出し忘れる…というのを 2 回繰り返し家にゴミ袋が溜まった。自分がやるとそのまま私の当番になってしまうと思い、頑なに(夫に)やらせようと声をかけたが逆ギレされ喧嘩になった」(27歳・女性)
■妻からの不満を自覚した夫たち
・「妻が子供の面倒見てるときに自分はソファでくつろいで携帯いじっていた」(23歳・男性)
・「(自分では)家事・育児をしていると思っていたが、妻が理想としている量になっていなかった」(28歳・男性)
■喧嘩したら分担できるように
・「保育園の送り迎えが私だけなので、寝かしつけやお風呂をやって欲しいとお願いして喧嘩になった。最終的には両方やってくれるようになったので喧嘩して良かった」(32歳・女性)
女性が意外と負担に感じている=“見えざる家事・育児”トップ3発表
このような結果を踏まえると、家事・育児の分担に関する認識は男女間で大きくズレていることがうかがえる。このようなギャップは、一体どのようなところから生じているのだろうか。
調査の後半では、ギャップの原因を探るために、“女性が意外と負担に感じている家事・育児”について調査が行われた。
まず、家事について、意外と負担に感じていることを尋ねる調査が行われたところ、最も多いのは「食事の献立を考える」(64.0%)という回答に。その後には、「使った服や道具を元に戻す、しまう」(40.8%)、「ベッドや布団を整える」(28.0%)といった回答に票が集まった。
料理と一口に言っても、調理よりも献立を考えることの方が負担になっていたり、掃除や整理整頓の中でも、特に物を元の場所に戻すことやベッド周りを整えることが負担になっていたりと、やっていない側は気づかないような細やかな作業が多いことが分かった。
次に、意外と負担に感じている育児について、最も多いのは「お風呂の後に髪を乾かす、身体を保湿する」(43.6%)という結果に。その後には、「爪切り」(37.6%)、「保育園への持ち物チェック」(36.4%)という回答に票が集まった。
育児と聞いて最初に思い浮かぶような、おむつ替え、着替え、寝かしつけ、子供向けの食事の準備といったこと以外にも、日々の些細な子どもの世話が意外と負担になっていることがうかがえる。
しかし、このような“女性が意外と負担に感じる家事・育児”について、男性がどのくらい協力的かどうかを調査が行われたところ、“女性が負担に感じていること”と“男性が積極的に行っていること”とは一致しない結果となった。
先述した“女性が意外と負担に感じている家事”のうち、男性が積極的に行っているのは、「ゴミを分類する」(47.6%)、「郵便、新聞をチェックする」(35.6%)、「食べ残しの食品を冷蔵庫にしまう」(33.6%)といったことで、いずれも大切な家事ではありますが女性が負担に感じている上位の家事とは一致していない。
また、育児についても、「公園へ遊びに連れて行く」(47.2%)、「お風呂の後に髪を乾かす、身体を保湿する」(34.0%)、「夜中に布団をかけなおす」(31.2%)といった回答に票が集まり、「お風呂の後に髪を乾かす、身体を保湿する」以外、“女性が意外と負担に感じている育児”とは一致しない結果となった。
つまり、家事・育児を巡る男女間のすれ違いは、女性が意外と負担に感じていること、すなわち“見えざる家事・育児”を男性が認識していない、あるいはそれらに協力していないことにあると考えられる。
女性が家事・育児を最も負担に感じるのは「月曜日」
さらに、“女性が家事・育児を最も負担に感じるタイミング”と“男性が家事・育児を最も積極的に行うタイミング”とを照らし合わせてみると、ここにもギャップがあることが明らかになった。
一週間の曜日ごとに見てみると、女性は「月曜日」に最も家事・育児を負担に感じる一方、男性が積極的に行っているのは「土曜日」という結果に。家事・育児の中で何を担当しているかという中身だけでなく、協力するタイミングにおいても需要と供給が一致していないようだ。
実家の父親が家事・育児に協力的だった男性の方が、積極的に家事・育児を行っている傾向に
最後に、一世代前の父親が家事・育児に協力的であったかどうかが、どの程度男性の家事・育児に対する積極性に影響を及ぼしているか調査が行われた。
その結果、実家の父親が家事・育児に協力的だった男性の方が、父親が協力的でなかった男性よりも、「パートナーと家事・育児を分担できている」と回答した人の割合が多い傾向が見られた。
実際にパートナーが満足しているかどうかは別問題だが、父親が家事・育児に協力的であった男性の方が、自分が父親になってからも積極的に家事・育児を行っていることがうかがえる結果となった。“子どもは親の背中を見て育つ”とは、本当のことなのかもしれない。
【調査概要】
調査期間:2019年12月25日(水)~12月27日(金)
対象:全国の20代~30代男女 500名(男性:250名、女性:250名)
調査方法:インターネット調査
調査会社:株式会社ネオマーケティング
出典元:ていねい通販
構成/こじへい
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February 17, 2020 at 08:36AM
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