
韓国の女性が声を上げている。セクハラを告発し、女性のための政党を作り、堕胎罪に反対するデモを行う――かつては考えられなかった女性たちの行動が、いまや当たり前のものとなった。いったい韓国社会に何が起きたのか。韓国の空気をガラリと変えた「江南駅殺人事件」から4年が経った今、6人の著者が、様々な分野の「女性たちの変化」を前後編で紹介する。
※執筆者:尹怡景、すんみ、ファン・ギュンミン、宣善花、木下美絵、キム・ジュヒ。企画・翻訳協力:小山内園子。執筆者の選定は翻訳家のすんみさんの協力のもと行いました。各章の担当は記事末尾に掲載しています。
変わりゆく女性たちの認識
運転する女性は「キム女史」、ブランド物を身につけ、スターバックスに行く女性は「味噌(テンジャン)女」、意見をはっきり言う気の強い女性は「キムチ女」。そんな呼び方がもてはやされる時代があった。明らかに女性を蔑視する表現であるにもかかわらず、当時は女性の間でもなんの問題意識もなく、一種の流行り言葉として使われていた。わずか5~6年前の話である。
男性の目を3秒以上見つめたのち微笑みがちに視線を逸らす「3秒スキル」で男の心を捕らえ、付き合い始めたら「愛嬌」と言われるかわいい仕草をつけて「かわいこちゃん(キヨミ)ソング」を歌い、自分のかわいらしさをアピールする。徴兵に行った彼氏にはビタミン剤をハートの形の折り紙に包んで送る。
前菜からデザートまで種類豊富な手作りお弁当をつくる「n段お弁当(トシラク)」で女子力をアピールするのも欠かしてはいけない。これらはネットを中心に共有され、女性なら当たり前に知っておかなければいけない「常識」のように思われていた。
そんな空気を大きく変える事件が起きたのは、2016年5月のことだ。ソウルの繁華街で20代の女性が面識のない男性に殺害された「江南駅殺人事件」である。犯人が公衆トイレで女性が入ってくるのを待ち伏せていたことが知られ、女性を狙った無差別殺人だったことが明らかになった。多くの女性たちは、「被害者は自分だったかもしれない」という恐怖を抱いた。
それだけではない。この事件をきっかけに女性たちは、いままで何かおかしいと薄々感じていた社会の不平等について考えを巡らせはじめた。
女性たちは、自分が被害者だったかもしれないという思いを込め「#生き残った」というハッシュタグを作り、そこでこれまでの経験を語り合い、議論を交わした。その過程でこれまで抱いてきた違和感は、自分だけのものではなく、韓国を生きる女性の多くが抱えてきた悩みだったという自覚を持つようになる。
目隠しを外して、歪んだ社会を直視し、自覚した女性たちは、自分に貼られたレッテルに抵抗し欲望を隠そうとしない。韓国社会は少しずつ、そして確実に変化している。これまでスルーされてきたさまざまな差別をめぐり、活発な意見が交わされ、特定の政党や団体に属さずとも、SNSなどを通して誰もが自由に声をあげている。女性たちはもう黙ってはいない。
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