神奈川県平塚市に女性だけの防災ボランティア団体がある。設立して25年目の「女性防災クラブ平塚パワーズ」。段ボールで作る簡易トイレをはじめとして独自の防災グッズを考え出し、市内外で広く、備えの大切さなどを説く活動に取り組んでいる。会長の菅野由美子さん(69)は「皆さんの役に立ちたい」と熱を込めて語る。 (吉岡潤)
一九九五年の阪神大震災を機に、平塚市は女性の防災リーダーを育成する講座を開いた。受講した女性三十人が九六年に「さらに知識を深め、女性の視点を生かしたい」と平塚パワーズを設立。「自分を守り、家族を守り、地域を守る」をテーマに、今は三十〜八十代の三十六人が在籍する。
学校や自治会などの防災訓練や講習会、イベントで被災時に役立つアイデアを紹介してきた。「頼まれたら断らない」をモットーに、年間七十件を数えるまでに増えた。
力を入れてきたのが段ボールトイレの普及。「阪神大震災のときからトイレは女性にとって大きな問題。何とかしたかった」と菅野さん。現副会長の木村美江子さん(71)を中心に試作し、改良を重ねた。
二〇一一年三月、仙台市の防災イベントで披露した五日後に東日本大震災が発生。あらためて作り方の資料を仙台に送って、評判になった。一六年の熊本地震でも再び注目された。
バスタオルに小物を収容するポケットや下着などを縫い付けた防災頭巾、身の回りのものを利用する応急手当て、ポリ袋を使って水を節約しながら数種類のメニューを同時に調理する方法なども考案した。一四年から四年間、会長を務めた木村さんは「防災といっても楽しくなきゃ」と笑う。
一七年、それらを「震災後七日間を生き延びる」ための知恵と技と称して冊子にまとめた。点字訳・音訳版、英語版も作り、市に贈った。活動費用は一人千円の年会費と寄付、官民の助成などでまかなっている。
新型コロナウイルスの影響で活動は難しい状況にある。それでもポリ袋を使った雨がっぱの作り方を教えている腕を頼られ、市内の病院から「医療用のガウンを作ってほしい」というリクエストも舞い込んだ。
「私たちが考えたことが広がり、人がつながるのがうれしい。会員制交流サイト(SNS)で発信し続け、情報を共有する会員を増やしたい」と菅野さんは思い描く。
<すがの・ゆみこ> 神奈川県鎌倉市出身。結婚して平塚市へ。2004年にパワーズに入り、09年から5年間と18年から会長を務める。問い合わせは、ひらつか市民活動センター=電0463(31)7571=へ。
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