女優の長澤まさみさんの主演映画「MOTHER マザー」(大森立嗣監督)が7月3日に公開される。実話を基にした作品で、長澤さんは社会の闇へと落ちていく自堕落で奔放なシングルマザーという、これまでに演じたことのない役柄に挑戦している。大森監督に「チャレンジングな役だったと思う。(能力を)全開にしてもらわないと絶対に無理だった」といわれる役どころを長澤さんがどうとらえ、どう表現したのか聞いた。 【写真特集】ぱっつん前髪が似合ってる! 黒のセットアップでしなやかに…
◇秋子を作った家庭の背景に社会問題「考えさせられた」
長澤さん演じる秋子は、ゆきずりの男たちと関係を持つことで、その場しのぎの生活を送り、秋子の歪んだ愛に翻弄(ほんろう)されながら育った息子・周平と共に、身内から絶縁され、次第に社会から孤立していく。その中で2人の間には“絆”が生まれ、成長した周平は殺人事件を起こす。周平が罪を犯してまで守りたかったものとは……というストーリー。
長澤さんは「私自身も女性として、いつかは子供を持つ立場になるかもしれないので、どこか人ごとには感じなかったという部分もある。秋子のことはとうてい理解できないし、この先も理解できないと思うんですが、同じ女性としてこの役はすごく気にかかったんです」という。
「家庭環境でこういう人(秋子)が生まれてしまったと思うんです。そこは映画には描かれていないけれど、きっと“普通の環境”ではなかったんじゃないかな。家庭の問題はそれぞれの(固有の)ものだけれど、そういう女性が出来上がる家庭があったというのが一つの社会問題。そこは本人の責任だけとは言い難いですよね。そういうところに自分自身も考えさせられました」と語る。
◇自身とかけ離れた役どころ「子供たちのピュアさに助けられた」
秋子を演じる上で、息子・周平役の新人俳優、奥平大兼さんや周平の幼少期を演じた子役の郡司翔君らのピュアな演技にも助けられた。
秋子が周平に金の工面をさせるなど、虐待する様子が描かれているが、「秋子がひどいことをしている感覚でいたのかといったら、それは違う気もするのですが。秋子の発する言葉に自分が引け目を感じたら何も成立しないし、このお芝居をダメにすると思ったので、なるべく何も考えずに、言葉がちゃんと伝えられるといいなと思っていました。そんなときに、対面している人に助けられることが多くて。それが今回は子供たちだった」と明かす。
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June 25, 2020 at 08:30PM
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