熊本大の研究員楢原知里さん（35）が首を絞められ殺害された事件で、楢原さんの首付近には抵抗する際にできるひっかき傷がなかったことが10日、捜査関係者への取材で分かった。爪からは第三者の皮膚片なども見つかっておらず、熊本県警は、抵抗できないまま殺害された可能性もあるとみて調べている。
県警によると、司法解剖による死亡推定は5～6日。一方で6日午後5時には知人と会ったことが確認され、同日夕から深夜にかけて殺害されたとみている。遺体は7日午前8時半ごろ、熊本市中央区本荘3丁目の側溝で見つかった。
また県警は10日、楢原さんのリュックが、勤務先がある熊本大本荘キャンパス（同区）で見つかったと発表。落とし物として大学に届けられており、身元が判明した9日、大学側が県警に連絡。県警が遺族や同僚に確認してもらい、楢原さんのものと分かった。汚れはなく、現金入りの財布やノートパソコンが入っていた。携帯電話は遺体が見つかった現場や数百メートル離れた自宅でも見当たらず、持ち去られた可能性もあるという。
熊本大によると、楢原さんは4月から「ヒトレトロウイルス学共同研究センター」でウイルスと宿主の相互作用を研究し、最近は新型コロナウイルスをテーマにしていた。大学関係者は「物静かなタイプで実験好き。熱心に根気強く研究に取り組んでいた」と話した。
（松本紗菜子、綾部庸介）
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September 11, 2020 at 04:00AM
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遺体に抵抗痕なし 携帯電話持ち去られる？ 熊本の女性殺害事件 - 西日本新聞
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